『ついに「愛国心」のタブーから解き放たれる日本人』
[著]ケント・ギルバート
[発行]PHP研究所
日本語で使う「愛」という言葉は、一つ間違えると大変に意味あいが変わってくる、難しい言葉だと思います。
たとえば「愛妻」と「愛人」は、まったく与える感じが違います。後者の場合は、それがたとえ純愛であっても、どこかよこしまな「色」がついてしまいます。これは「愛国」という言葉でも同じです。
かつて愛国とはすなわち、日本という祖国を文字どおり愛することであったわけですが、戦後のGHQによる教育宣伝方針で、この言葉には「軍国主義」のイメージがつけられ、また怖そうな右翼の人々が「愛国者」を名乗って、他人の迷惑などおかまいなしで、大きな音を立てながら街宣車を走らせるのを見せつけられた一般人は、「愛国とは、なんだかいかがわしくて怖いもの」というイメージを持っています。