『ついに「愛国心」のタブーから解き放たれる日本人』
[著]ケント・ギルバート
[発行]PHP研究所
はるか昔から、庶民階層が芸術的な歌を詠む伝統があった日本は、当然のことながら、識字率もとても高い社会でした。
その点で、一つ興味深いのが「百人一首」です。代表的な歌人一〇〇人の代表的な一首を選び出したものですが、現在、よく知られているものは、十三世紀前後に藤原定家がまとめたとされる小倉百人一首です。七世紀から十二世紀、十三世紀までの歌が集められていますが、選ばれた人々の内訳を見ると、天皇が男性七方、女性一方の合計八方。