『サギ師が使う 人の心を操る「ものの言い方」』
[著]多田文明
[発行]イースト・プレス
ネガティブな情報には、もうひとつの活用方法がある。
霊感商法を見てみよう。彼らはこういった情報を最大限に利用する。
偽霊能師は占いや家系図を見ながら「あなたには悪さをした先祖がいますので、悪い因縁がありますね」と言う。
相手は「どんな因縁ですか?」と尋ねてくる。
そこで「お金がたまらず、苦労するのは、先祖にお金で人を困らせた人がいるからです」などと言って不安を煽り、最終的には「とりつかれた悪い霊を祓いましょう」と言って供養などの名目でお金を出させる。
いわゆるネガティブ・シンキングをさせながらお金を出させるわけだが、霊感商法ではさらにネガティブを重ねてくる。