仕事上、さまざまな会社を訪れているうちに、その会社が元気かどうか、入った瞬間の雰囲気で、なんとなくわかるようになってきた。元気な会社には、明るく、なんともいえない温かい雰囲気があるのだ。
そこで詳しく聞いてみると、具体的な取り組み内容は、各社により異なるが、元気な会社は、社員の「わかる」「できる」「やるぞ」という気持ちを高めるような取り組みをしていることに気づいた。
では、社員の「わかる」「できる」「やるぞ」という気持ちを高めるような取り組みとは、具体的にどのようなものがあるのか。事例をまとめて紹介しよう。
わかる感を高める――理念を浸透させる工夫
ほとんどの会社が企業理念を掲げている。その理念が「そうだ、わが社はこれを達成するために、この世に存在しているのだ。使命を果たし続けられるようにがんばろう」と社員皆がその実現を心から望み、苦労もいとわず努力しようと思えるようなものであれば、社員の力を一つにまとめることができる。また、理念がしっかりしていると、仕事で困難な状況に陥り、どのように行動していいかわからなくなったとき、その理念を基に判断することができるので、混乱に惑わされずに済む。
そうした理念に対して、社長をはじめ経営陣は、深い思い入れを持って、それを心に刻んで、日々行動していることだろう。その一方で、一般社員は「見たこと、聞いたことはあるけれど、覚えていない」「知ってはいるけれど、ピンとこない」というレベルである会社は少なくないようである。
では、どうすれば、理念を浸透させることができるのか。
理念を浸透させるには、理念を行動項目として明確化するといい。