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第7講 マルクス『経済学・哲学草稿』──競争社会に疲れたら?

『世界一わかりやすい哲学の授業』
[著]小川仁志 [発行]PHP研究所


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科学的な社会主義者


先生:今日はマルクスですね。この授業に登場する哲学者の中では、一番有名ではないでしょうか? さすがにB夫さんもご存知でしょ?

B夫:さすがにというのは余計ですが、多少は知ってますよ。社会主義を唱えた人で…。

A子:え、B夫さん、それだけ?

B夫:うっ…。

先生:いや、いいですよ。正確にいうと科学的社会主義の創始者というべきでしょうが。というのも社会主義自体はすでにオーウェンやフーリエといった人たちが唱えていましたから。ただ、彼らの社会主義は平等な社会をつくるという理想が先立っていて、マルクスにいわせると科学的理論を欠いていたんですね。それでマルクスとエンゲルスは、あいつらのは空想的社会主義に過ぎないと()()したんです。

C吾郎:私は昔からマルクスよりエンゲルスに興味があるんです。だって、一人の思想家のためにパトロンになるなんて考えられません。

先生:完全にパトロンだったわけじゃありませんよ。共同研究者ですね。だからエンゲルスにしてみれば、マルクスへの支援は自分の夢を実現することでもあったわけです。

C吾郎:なるほど。



マルクスはこの本から始めよう


先生:さて、一般にはマルクスの本といえば『資本論』でしょうが、ここでは『経済学・哲学草稿』を扱います。『経哲草稿』などと略されます。

B夫:どうして『資本論』じゃないんですか?

先生:理由は二つです。消極的な理由としては、『資本論』は大部過ぎるということです。翻訳でいうと文庫で九巻もあります。この授業で紹介した本はぜひ自分で読んでもらいたいので、できるだけ読みやすいものを選んでいるのです。その点『経哲草稿』は文庫でもわずか一冊分です。

C吾郎:でも短いからって簡単なわけじゃないんでしょ?

先生:それはそうですね。でも、この本についていうと中身も難しくはないんです。というのも、『経哲草稿』は若きマルクスが経済学を学び始めた頃の作品で、いわばマルクス経済学、マルクス主義の原点ともいうべきものなのです。

A子:それにしても目次を見ると変な構成になっていますね。第一草稿だとか第二草稿だとか?

先生:ええ。実はこの本はマルクスの書いたいくつかの草稿を別の人が編集してまとめたものなんです。

A子:え、そうだったんですか? 知らなかった。

先生:では構成から見てみましょうか。四つの草稿から成り立っているのですが、第一草稿はほとんどがアダム・スミスなどの経済学者の著作からの抜き書きです。八割くらいがそうなってます。しかも第二草稿は私有財産の関係についてですが、原稿が失われていることもあり、分量はわずかしかありません。第三草稿は、それまでに書いた草稿の補足であったり、研究ノート的なものになっています。

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