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第8講 サルトル『実存主義とは何か』──自由に生きるってどういうこと?

『世界一わかりやすい哲学の授業』
[著]小川仁志 [発行]PHP研究所


読了目安時間:15分
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ノーベル賞を辞退した哲学者


先生:今日はサルトルを読みましょう。一番有名なのは『存在と無』、小説なら『(おう)()』でしょうか。

B夫:え、サルトルって作家なんですか?

先生:もちろん哲学者であることは間違いないのですが、それ以上に作家としても有名です。何しろノーベル文学賞を蹴った男ですから。

C吾郎:蹴ったという意味で哲学者ですね。権威に頼ろうとしないわけですから。

先生:そういう見方もできるかもしれませんね。

A子:ということは、今日は『存在と無』ですか?

先生:それでもよかったんですが、より読みやすいものをというこの一連の授業のコンセプトからすると、『実存主義とは何か』のほうがいいと思います。原題を直訳すると『実存主義はヒューマニズムである』になりますが、邦訳では改題されています。

B夫:わりと薄い本ですね。

先生:実はこれ、講演と討論を掲載したものなのです。それに少し短編小説なんかがついています。今日はその中でも中心となる講演の部分に焦点を当てたいと思います。

A子:いつ頃の作品ですか?

先生:一九四五年、つまり第二次世界大戦終結の年です。当時サルトルは四十歳。とはいえ、すでに彼は大著『存在と無』や小説『嘔吐』も発表していました。有名人だったといっていいでしょう。講演はパリの「クラブ・マントナン」というところで行われたのですが、中に入りきれないほどの人々で溢れ、翌日の新聞にはこの講演会の様子が大きな見出しで報じられたといいます。

C吾郎:それだけ実存主義が人気だったんですね?

先生:いや、この時点ではそうともいえませんでした。逆にうがった目で見られていたからこそ、皆その中身を知りたいと集まってきたのでしょう。実存主義というのは、当時はまだマイナスイメージのある言葉だったようです。誤解に満ちていたのですね。それをサルトルがこの講演で見事に弁明したわけです。

B夫:それでこの本のタイトルは『実存主義とは何か』になってるんですね。実存主義の入門書みたいなものですか?

先生:実存主義自体はすでに紹介したキルケゴールをはじめ、ハイデガーやヤスパースなど、ほかにも唱えている人はたくさんいます。そして論者によって少しずつ意味が異なるのです。ただ、サルトルの実存主義は最も有名ですし、そのサルトルの実存主義入門ということなら、この本ということになりますね。

C吾郎:しかも本人による解説でしょ? これはいいや。先生、早速お願いします。

先生:それでは見ていきましょう。冒頭サルトルはこういいます。「私は、実存主義に向かってなされたいくつかの非難にたいして、これからその擁護を試みたい」と。その非難というのは、たとえば「実存主義は人々を絶望的静寂主義へと(いざな)うものであり、究極においては一種の静観哲学に帰着する」といったものが挙げられます。

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