『日本を弑する人々 国を危うくする偽善者を名指しで糺す』
[著]渡部昇一
[著] 稲田朋美
[著] 八木秀次
[発行]PHP研究所
稲田 皇室はやはり「万古不易」であっていただきたい。その意味で、二十一世紀の皇室のためになどという物言い自体が、皇室の弥栄を望むとしながら矛盾を孕んでいると思います。
私事ですが、弁護士になったときに「空」という言葉を哲学者の伯父が贈ってくれました。「空」とは既成の固定概念にとらわれず、自由な魂で物事の本質を見ることだと。
二千六百五十年以上も続く万世一系の天皇の存在は、日本民族の中心であり、天皇は常に国民とともにあられた。したがって憲法一条の象徴天皇を憲法改正の対象とすることは許されないと私は思っています。その意味において、自民党憲法草案の「象徴天皇制はこれを維持する」という表現は、維持しないという選択が可能であるかのようであり、適切ではないと考えます。