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日本史・あの事件の意外なウラ事情
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歴史
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『解体新書』

『日本史・あの事件の意外なウラ事情』
[著]長尾剛 [発行]PHP研究所


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翻訳した杉田玄白は、語学のセンスがゼロだった。


蘭和辞書がない時代に翻訳を成し遂げる


 江戸時代というのは、現代人がふつう思っている以上になかなか“知的な時代”だった。思想も科学も芸術も、それまでの日本にはなかったほど素晴らしい発展を見せていた。

 そんな当時の学問ジャンルの中に「蘭学」というのが、ある。

 蘭学の「蘭」は「オランダ」の意だ。

 徳川幕府の外交政策として当時の日本は鎖国状態だったから、基本的にヨーロッパとの交流はいっさい絶たれていた。ただ、唯一オランダとだけは細々と外交を続けていた。それで、オランダからかろうじて輸入されるヨーロッパ科学を研究するジャンルをして、蘭学と呼んだのである。

 蘭学はやはり自然科学がメインであって、中でも医学と兵器工学が中心だった。もっとも、兵器工学のほうは幕府の厳しい監視があったから、民間学者が気楽に学べるものではなかった。けれど、医学となれば、そうそう幕府の政権をおびやかすようなことはない。だから、こちらのほうはわりと規制が緩くて、民間でも活発だったのである。

 で、そんな蘭学医学の発展の口火を開いたパイオニア学者として、歴史に燦然(さんぜん)と名を輝かせているのが、杉田玄白(げんぱく)である。

 江戸時代の中期、この玄白が、日本で初めてオランダの医学入門書を翻訳した。安永(あんえい)三年(一七七四)のことである。この翻訳書が広まって、日本の医学は目を見張るような発展を遂げた。

 それまでの医学と言えば、現実として漢方薬の調合くらいしかやっていなかった。どんな大きな怪我や病気であっても外科的処置など、とうてい出来なかった。

 何しろ「人体の仕組みを知る」という“医学の基本中の基本”でさえ、それまでの日本では、本気で取り組む医者がいなかったのだ。
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