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グルコサミンはひざに効かない
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グルコサミン、コンドロイチンは本当に関節痛を治すのか

『グルコサミンはひざに効かない』
[著]山本啓一 [発行]PHP研究所


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 総務省の二〇一三年の統計によると、すべての都道府県で、六十五歳以上の老年人口が年少人口(〇歳〜十四歳)を上まわったそうです。これから日本は、老齢社会に向かって突き進んでいくことになります。

 歳をとれば身体にさまざまな不都合が生じるのがふつうです。残り三分の一の人生をいかに健康かつ快適に生きるか──なかでも一番の心配事は、いつまで足腰が丈夫でいられるか、でしょう。

 関節が痛くて、立ったり座ったり階段の上り下りができなくなった──高齢者が気にする不具合の代表的なものが、骨と骨をつなぐ関節を(おお)う軟骨がもろくなって生じる関節痛です。関節痛にはさまざまな原因がありますが、一番多いのが関節の老化から起こる変形性関節症です。歳をとるにしたがって軟骨が()り減り、加重の衝撃を吸収できなくなり、痛みが走ります。

 変形性関節症にもっともなりやすい部位がひざです。元気なときには気になりませんが、ふだん私たちが立っているとき、ひざは自分の体重のほとんどを支えています。走ったり飛んだりしたときなどは、体重の何倍もの重さの衝撃に耐えているのです。そのため、加齢によってクッションとなる軟骨が劣化し、足の筋肉が衰えると、ひざへの負担がいっそう大きくなります。

 皆さんも耳にタコができるほど聞いたと思いますが、こうした人にアピールしているのが、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントの宣伝です。コンドロイチンは、正式にはコンドロイチン硫酸というのですが、硫酸というと劇薬のイメージをもたれるからでしょうか、宣伝では省略しているようです。

 コマーシャルは、グルコサミンやコンドロイチンを毎日飲めば、関節痛の症状がやわらぐかのような効果を謳うコピーばかりです。たしかに、グルコサミンやコンドロイチン硫酸は、関節を滑らかに動かすための軟骨部分の主要成分です。だから、これらを摂取すると軟骨が増え、関節の動きが滑らかになって痛みもなくなるはず、ということでしょう。

 しかし、人間の身体は、食べたものがそのまま細胞などの一部になるようにはできていません。結論からいうと、グルコサミンやコンドロイチン硫酸を毎日飲んでも関節の動きが滑らかになったり、痛みがなくなったりはしません。

 二〇一二年の米国リウマチ学会でも、グルコサミンに膝関節症の発症を予防する効果はないと報告されています。グルコサミンを毎日摂取したグループと摂取しないグループとで発症状態を調べたところ、両者に差は見られなかったそうです。

 そもそもグルコサミンが「医薬品」ではなく、「栄養補助食品」に分類されていることからも、医療効果はないということがわかります。では、グルコサミンはどんな役目をもつ成分なのか。その名のとおりグルコース(ブドウ糖)にアミン(アミノ基)がついたもので、ブドウ糖とほぼ同じカロリーがあるので、カロリー源であるブドウ糖が足りなかったときに、その補助になるといった程度のものなのです。

 大きな製薬会社は、そのことをよくわかっていますから、宣伝コピーのなかでけっして関節に対する医療効果があるとはいいません。注意して読むとわかりますが、立ったり座ったりを繰り返す人、一度座ると立つのがおっくうになる人、山登りやハイキングに行ってみたい人にお勧めしますとはいっていますが、痛みに効くなどとは一行も書かれていません。

 ある会社のテレビコマーシャルでは、お茶や生け花の先生風の人や足腰を酷使しそうな元力士、職人風の人などが出てきて、「これを毎日飲んでいるけど、とても調子がよい」といっています。つまりそれを見ている視聴者が勝手に、正座することの多い人や足腰の曲げ伸ばしをすることの多い人に効果があるのだから関節痛に効くのだろうと思ってしまうわけです。私たち専門家から見ると、感心するほど巧妙につくられています。

 一方、販売に熱心なあまり、あたかも関節の痛みを治すかのように宣伝している会社もあります。訴訟王国アメリカでは、グルコサミンの医療効果をはっきりと書いた企業の一つが訴えられて二〇〇万ドルを支払わされました。そのほかの企業に対しても同様の訴訟が起こされ係争中だそうです。

 とりわけ問題なのは、グルコサミンの塗り薬です。関節の上から塗っても吸収されるはずはないのですが、あたかもグルコサミンがしみ込んで関節を温め、痛みを和らげるかのように宣伝しています。塗り薬にホカホカ効果があるのは、グルコサミンではなく、一緒に入っている唐辛子の成分であるカプサイシンによるものなのです。

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