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人の心を動かす技術
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生き方・教養
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1 ポジティブな関心

『人の心を動かす技術』
[著]山崎武也 [発行]PHP研究所


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 誰でも、犬猿の仲とまでは言わなくても、()りが合わなかったり苦手に感じたりする人の一人や二人はいる。事ある(ごと)に、何となく対立的な立場に身を置く結果になる。一方が何かの拍子に好意的なアプローチを仕かけることがあっても、相手は反対する姿勢を崩そうとしない。お互いの意識の根底において、相手を敵として位置づけているので、簡単に心を開こうとしないからである。

 相手の言うこと為すことのすべてについてネガティブに解釈していくので、自分も防御の姿勢を固めたり攻勢に出たりするのだ。宿敵であるので、出会う場では常に緊張が走る。しかし、相手を強く意識しているという意味では、極めて密度の高い人間関係の一つであると言える。

 けなすにせよ嫌味を言うにせよ、それは相手を強く意識しているからにほかならない。関心の度合いは極めて高いのである。その心理の深層の部分において、ちょっとでも考え方を変えることができれば、強くポジティブな感情に変わる可能性もある。「かわいさ余って憎さが百倍」と言われているが、その逆もありうる。「憎さ余ってかわいさが百倍」ともなりうるのだ。

 ネガティブなものであっても強い感情を抱いているというのは、一人の人間として認めている証拠である。目の(かたき)にされているのは、一人前、いやそれ以上に力があると思われているからだ。だからこそ気になるのである。つきあいのどこかの時点で、何かの言動によって、また何かの事実が判明したために、お互いの間にマイナスの感情が生まれただけである。その元にあるしこりを取れば、敵も即座に味方にすることができる。

 人間関係で最も怖いのは、敵視されることではなく無視されることである。敵視するときは、相手を抹殺したいというよりも相手に打ち勝ちたいと思っている。ところが、無視するときは、相手の存在そのものを認めようとしていない。すなわち、すでに抹殺してしまっているのである。精神的には殺されている状態だ。

 人間関係を築き上げスムーズに続けていこうとするときは、この無視という行為の残虐さを考え、それを反対の極において対策を練っていけばよい。すなわち、相手に対する関心をどのようなかたちで、またどの程度に示していくかがポイントである。同じ人間同士として、お互いに相手の関心事を探り出し、そこに焦点を合わせて共通の地盤をつくり上げていく。

 その点に関しては、少しずつ押してみたり引いてみたりして、探りを入れながら相手に関する情報を集めていく。この試行錯誤の過程は、相手に悟られるような露骨なものであってはいけない。かすかな触れ合いのような微妙な作業をしていき、その中で相手の関心事を探り当てるのである。

 このとき、相手に関する情報は自分自身が直接ぶつかって手に入れるようにする。第三者を通じて仕入れた情報は、自分の役に立たないことが多い。人と人とのつきあいは、それぞれ独得なものであって、画一的に論じるのは間違っている。波長が合った者同士の間で交わされる感情の流れは、その人たちだけのものである。ほかの人にとっては、あまり参考にならないと考えていたほうが無難だ。

 相手の関心事がわかったら、そこへ自分の関心をポジティブに重ね合わせていく。そのような心構えを常に忘れないでいれば、旧知の間柄であれ初対面の人であれ、スムーズな人間関係の進行を図ることができる。自分が主導権を握るのではなく、相手の流れに自分を合わせていくようにすれば、万全の構えとなる。
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