『世界最強だった日本陸軍 スターリンを震え上がらせた軍隊』
[著]福井雄三
[発行]PHP研究所
ヤルタで三首脳が会談したとき、スターリンはルーズベルトの要請を容れて、ドイツ降伏後三カ月以内に対日参戦すると密約した。その見返りとして南樺太、千島を獲得し、さらには満州の権益も得ることを認められたのだが、ソ連はさらに日本の占領をも要求していた。このソ連の日本占領要求に対し、ルーズベルトは笑ってとりあわなかった。アメリカが四年も血を流して戦った相手の日本を、ソ連にむざむざただでくれてやる道理などどこにもない。それにアメリカにはもう一つ強力な切り札があった。完成が間近に迫っている原爆である。原爆が完成した暁には、これを日本に投下してソ連を牽制してやろう。