会社診断の一番手近かで確実な方法は、社用の伝票の点検だといわれている。ひところ、都心のホテルでは“伝票と伝票が枕を並べて寝ている”というブラック・ユーモアがはやった。社用の伝票に担当のホステスが水増し請求して、それが情事の代金となる。“伝票の情事”というわけである。
倒産寸前に追いつめられた会社の再建にのりこんだ新社長が調べてみたら、前社長は四階建てのエレベーター付き住居を建て、その建築費から家具、灰皿にいたるまで、社用でまかなっていたので、びっくりしたという話もある(大山梅雄氏『会社再建の秘訣』=ダイヤモンド社)。