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辞書をひくと、ライバルは競争者、敵対者ということになっている。“宿命のライバル”などということばもあるところをみると、ライバルというのは、何か運命的なような気もする。それは時・ところ・人との組み合わせから生ずるもののようである。川中島をはさんで死闘をくりかえした上杉謙信と武田信玄などは、その典型的な例かも知れない。
ライバルには、どうも三つの条件が前提になっているような気がする。
第一は闘う場所が、同じ土俵で、ということである。奥州の一角に蟠踞している伊達政宗と中国の雄、毛利元就とではライバルにはならない。
第二に同時代人ということである。