「カラスの勝手でしょ」ということばが、はやっている。兜町で仕手株が乱舞した。大蔵省や証券取引所が、資本金三十億円以下の中小企業を、信用銘柄からはずすことにした。しかし、これはおかしい。ほんらい株の売買には投機や思惑がつきもので、株価が乱高下しようとしまいと、それは「株価の勝手でしょ」(55年6月3日・日経)という風にも用いるらしい。なかなか応用の広いことばである。
そもそものはじまりは、テレビの「全員集合」でドリフターズが使ったギャグで、それが転化して広くもちいられてきたらしい。このことば、ドライで自己主張があって、たいへん現代的だと思う。