超老人というと、スーパーマンのように、一般人には関係のない特別の人種を想像するかもしれないがそうではない。若者の野性と大人の気品を備えていて心身ともに健全であれば、誰もが超老人になりうる資格がある。体力があるくせに尻込みする者は超老人とはいえないが、たとえ体力は劣っていても、自分の体力を正しく把握し、その中で挑戦を続ける人は立派な超老人なのだ。
人生には深い生き方と広い生き方がある。スイスのマッターホルンやユングフラウのような突出した高山もいいが、その裾野に広がるゆるやかな高原にも独特の趣がある。どちらを目指すか、あるいは両者のよさを少しずつ味わってみるのかは、まったく個人の好みによる。