いつの時代にも、無気力な若者――そして無気力な大人――はいるものだが、その反面、元気ではつらつとした若者も必ずいる。ぼくは、自分が学生時代に空手部に所属していたこともあって、とくに体育会に所属する学生たちに注目してきた。
体育会の学生たちが一つのスポーツに一心不乱に打ち込む姿からは、無気力な若者というイメージは浮かんでこない。彼らを見ていると、大学の空手道部で突きや蹴りに明け暮れていた遠い昔の学生時代が彷彿としてくる。「運動部の話をすれば、きっと対話が生まれてくるに違いない」。そんな期待を抱きつつ、学生に接近を試みる。