平均寿命が長くなったのだから中高齢者はそれだけ長生きできると受け止められているようだがそうではない。ある年齢の人があと何年生きられるかを示すことを平均余命という。第一回目の調査は明治二四年〜三一年(一八九一年〜一八九八年)に行われたが、そのときの六五歳以上の平均余命は、男子一〇年、女子一一年、平成一二年(二〇〇〇年)では、男子一八年、女子二二年であり、一世紀の間に一〇年ほど伸びただけだ。平均寿命が四〇年近く伸びたことと比較すると、高齢者の寿命の伸びははるかに少ないことがわかる。
死因の年次変化を見ると、医学の進歩の様子がよくわかって面白い。