若者の野性と大人の気品をあわせもつ超老人。ぼくはまだまだ理想の超老人にはほど遠いが、それを目標として努力しようという気持ちだけは人一倍強いと自負する。
さて、心とからだはバランスよくあるべし、とは古くからいわれてきたことだ。だが、心とはからだの働きにほかならないのだから、からだを離れて、心だけを磨き上げることはできないはずだ。「読書で教養を積めば……」というかもしれないが、そのような発想には大きな落とし穴がある。読書から得られるものは知識であり、人格の向上につながる智恵ではないからだ。
それどころか、本はときとして心の荒廃をもたらすものであることは、書店に並ぶ色鮮やかな雑誌を見れば一目瞭然だ。