魚の丸かじりはその後も休むことなく続けられた。サンマなどは頭と背骨以外は全部平らげてしまう。ある女性とサンマを一緒に食べてみると、残した部分が倍くらい違っている(写真8)。
この女性は、サンマでいちばんおいしい(とぼくは思う)はらわたと皮を残している。はらわたは、中の小骨と一緒に全部食べることによっておいしさが一段と引き立つ。この調子で、ほとんどの焼き魚は、背びれ、胸びれ、尻っぽまでポリポリやってしまう。そのせいか、この年齢でも虫歯はゼロであるし、何回か起こした骨折もすぐ回復し医者もびっくりしていた。
六二歳のとき、草刈りをしていて崖から落ち、肋骨を二本折ったことがある。