いまでこそ、週休二日制は日本でも定着してきたが、ドイツでは三〇年も前に完全実施されていた。帰国したとき、ドイツと日本では、生活の質がまったく違っていることを痛感した。朝夕のラッシュアワーに満員電車に詰め込まれ、渋谷や新宿を通るときには吐き気を催すことが多かった。軽い胃潰瘍にかかっていた。あらゆる面で、日本の生活はストレスが強く、気分の休まるときがなかった。
とはいえ、このときの体験はマイナスばかりではなかった。「強いからだを作ろう」と一念発起して、水泳やジョギングを始めたことで、体調の回復を図り、さらに体力の増進を進めることができたからだ。