超老人は、日本といわず世界といわず、知的好奇心のおもむくまま出向いていって、その土地の伝統文化に直接触れながら一人喜びにひたる。絵画、舞踊、陶磁器、民芸品、食物、酒など、およそ人間の営みにかかわるものには強い関心を示し、その起源や文化的な意義を探ろうとする。
ここで超老人は、これらの文化的な遺産が、人間が置かれている環境、つまり人間を取り巻く自然に深いかかわりがあることを直感する。自然はそこに住む人の性格や考え方に強い影響を及ぼし、その結果、文化の形成に本質的な役割を果たす。
とりわけ、温暖な気候と変化に富んだ日本の自然は、繊細な日本文化を築く基礎となっている。