植物と動物とが区別できる以前、おそらく三〇億年ほど前には、太陽の光によって、大気中の炭酸ガスを吸収し、酸素を作り出す微生物が現れた。このような化学反応を光合成とよぶ。それらの微生物は、二〇億年近くの歳月をかけて酸素を作り出し、大気中に放出してきたのだ。今日こうして動植物が繁栄しているのは、その祖先たちの気が遠くなるような営みのおかげなのだ。
生物に備わった最大の特徴は、親がもつ形質をそっくりそのまま次世代に伝えることだ(これを自己複製能力とよぶ)。生物の進化は生物と環境との作用によって発現するものであり、生物そのものがもつ本質的な性質ではない。