無罪で幕を閉じたスパイ容疑 誰も問わなかった真犯人とは?
事件のあらまし
一八九四年、フランス軍部でドイツ軍への機密漏洩事件が起こった。このときスパイと指摘されたのが、アルフレッド・ドレフュス大尉である。フランス側に密通するドイツ大使館の家政婦が、ゴミ箱から拾った手紙がきっかけだった。
そこにはフランス軍の「D」がドイツ軍に軍事作戦の詳細を流していることが記されていた。
この手紙の筆跡鑑定の結果、ドレフュスのものとされ告発された。彼はあくまで無罪を主張したが、その声は聞き入れられず、軍事法廷の場で有罪判決が下される。