カサブランカはもともとジブラルタル海峡を挟むポルトガル人が作った街をフランスが占領し保護領として植民地支配していた。アフリカにあって西欧の香りが漂うのはそのためだ。第二次世界大戦でドイツ軍によってフランスが占領されたため、戦争当初は親独のヴィシー政権の支配下にあった。その頃に制作された映画『カサブランカ』は、「君の瞳に乾杯」の名セリフが印象的な、悲惨な戦争と悲恋が絡まる哀愁漂うラブロマンスである。同時に第三帝国とヴィシー政権を批判する反枢軸国のプロパガンダでもあった。その後、カサブランカは連合国軍の北アフリカ侵攻によって自由フランスに復帰。