一方、インテリジェンス・オフィサーがヒューミントする場合、語学とともに要求されるのが対象となる国や地域の事情や文化、歴史に関する知識、学識である。元外務省主任分析官の佐藤優氏は、「ロシアならば、現地の義務教育で使われている国語、文学、数学、外国語、歴史の教科書を熟読し、基礎教育のレベルで対象国の人々と同じ知識を身につける必要がある」と説く。さらに地域専門家として、最低限、M.A.(修士)学位、できれば、Ph.D.(博士)学位を取得し、できれば、対象国のシンクタンクの客員研究員や難関大学の客員教授などの地位を持っていないと、高官とのアクセスは難しく、レベルの高い情報を得ることはできない、と断言する。