大戦後、表の外交交渉で行なえない事案についてインテリジェンス・オフィサーを通じて調整することが一般的となった。小野寺らが終戦工作を行なったことは、その先駆けだった。
冷戦時代、バックチャンネルが有効に機能して幾度かあった第三次大戦の危機を脱している。一九六二年十月、キューバ危機が発生した際、駐ワシントンのソ連大使館書記官だった国家保安委員会(KGB)のインテリジェンス・オフィサー、ゲオルギー・ボルシャコフが、ケネディ大統領とフルシチョフ書記長をつなぐバックチャンネルとして暗躍し、極秘に解決する糸口となった。