また小野寺は懇意になったスウェーデン参謀本部情報部のピーターセン少佐らを通じて、特別に『タイム』などの英米のニュース雑誌のほか、航空機など軍事技術に関する専門雑誌も入手していた。
日本軍が真珠湾を攻撃すると、小野寺は戦いの前途を案じて、軍の嘱託としてスウェーデンに配属された四人の商社マンを使って連合軍の総合戦力の調査、分析を行なった。三人は陸軍武官室に嘱託としてベルリンから配属された三井船舶の本間次郎、三井物産の佐藤吉之助、三菱商事の井上陽一であった。英米の新聞、雑誌を翻訳して、連合軍の戦力情報を分析していた。こうした公開情報は、同盟通信を通じて、新聞電報として東京に送られ、内閣情報部に提供された。