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子供を伸ばす一言、ダメにする一言
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くらし
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まえがき

『子供を伸ばす一言、ダメにする一言』
[著]浜尾実 [発行]PHP研究所


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 以前、こんなアンケート結果を目にしたことがあります。それは、幼稚園児から高校生までの子供を持つお母さん方を対象に、「あなたの人間形成に一番影響のあった人を一人あげてください」と尋ねたものですが、実に八〇パーセントの人が「母親」あるいは「父親」と答えているのです。回答者が女性であったためか、「母親」をあげた人がとりわけ多く、全体の五割近くにものぼっていました。

 このデータ一つとってみても、一人の人間が成長していく過程において、学校の先生でもなく友人でもない、「母親」の果たす役割がいかに大きいか、その責務がいかに重いかを改めて思い知らされます。

 同時に、友人たちと深く心を通わせ合うこともないかわり、誤った行ないも見て見ぬふりをするという、一種異様なほどクールな子供同士の関係や、はびこる陰湿ないじめなど、現在の教育界の抱える病的な問題の根はどこにあるのかと、思いを馳せずにはいられません。

 それらのすべてを、親の育て方が悪いからなどと短絡的なことを言うつもりはありませんが、だからといって「世の中が悪い、時代が悪い」で片づけたのでは、何一つ変わってゆかないのもまた事実です。むしろ困難な状況が日常化している今だからこそ、家庭教育の原点を見直す時なのではないでしょうか。

 私が、この本の中で述べることは、ごく常識的な事柄です。これは当然でしょう。教育の目的はあくまで正しい人間に育てることですから、私たちが親として社会人として為すべきことは、よほど他人とかけ離れた価値観の持ち主でもない限り、大方の人々が納得できるものであるはずです。

 しかし、そのごく常識的な概念を形にして実践する術を、あまりに知らなさすぎる、あるいは見過ごしてしまっているお父さん、お母さんが多いのでは――という思いが、最近の私にはあるのです。

 核家族化がますます進み、教育者としての先輩であるお年寄りからのアドバイスがあまり受けられないこと、一組の夫婦の持つ子供の人数が平均二人を切ると言われるほど少なくなっているため、子育ての経験そのものが足りないことなども、その原因なのかもしれません。

 私は大学卒業後、短いサラリーマン生活を経て、昭和二十六年一月から東宮侍従の職につきました。そして二十年にわたり皇太子殿下(いまの天皇陛下)にお仕えし、浩宮さま、礼宮さま(秋篠宮殿下)のご養育係を務めました。退宮後は聖心女子学院中等科・高等科で、五十六年までの十年間教鞭を取りました。また家庭にあっては一人の平凡な父親として、失敗を重ねながら懸命に一男四女を育ててきました。たったそれだけの、ささやかな私の経験ではありますが、子育てに迷いを感じているお父さんお母さんの一助にでもなれば、とペンをとった次第です。

 本文には、なるべく具体的にという意味で、しつけの「禁句・名句」を各冒頭に示しています。しかしそれらのすべてについて、必ずしも前者は「決して口にしてはならぬ言葉」、後者は「積極的にかけて欲しい言葉」という決定的な区別を意図したわけではありません。一つの例としてあげたものです。

 もちろんこの本の中で、すべてのシチュエーションをカバーできるものではありませんし、言い足りない部分も多々あると思います。あくまでもここに述べるのは、「しつけのコツ・基礎編」と考えてください。

 そして、それぞれのお子さんにもっとも適切な「応用編」は、一人一人のお父さん、お母さんが子育てという実践をもって綴ってみてください。


 一九八五年十月
浜尾 実 
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