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子供を伸ばす一言、ダメにする一言
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「知っていること」と「できること」

『子供を伸ばす一言、ダメにする一言』
[著]浜尾実 [発行]PHP研究所


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 身のかたわらに美しいと付けて「(しつけ)」と読みます。誰が使い始めたのか、本当によく考えて作られた漢字だと思います。

 ことの善悪、何をすべきで何をすべきでないかを、まったく知らない白紙の状態で子供は生まれてきます。これを教えるのは親の仕事です。しかし、単に頭の中の知識として覚えさせただけでは、「しつけをした」とは言えません。教えると同時に、その実践を習慣として身に付けさせた時(ヽヽヽヽヽヽヽヽ)、私たちは初めてこれを「しつけ」と呼ぶのです。すなわち、理解に行動が伴っていなければなりません。「知っていること」と「できること」とは別なのです。

 大人はどうでしょう。して良いことと悪いことの区別もつかないほど非常識な人は、ごくわずかだと思います。けれどもそれが行動面にも生かされているかどうかは疑問です。たとえば電車の中でお年寄りや身体の不自由な人に席を譲るべきなのは、誰でも知っているのです。それなのに、ためらいもなく立ち上がって「どうぞ」と言える人が、いったい何人いるでしょうか。

 まさに「知っていてもできない」のです。それほど私たち人間は、弱い心を持っています。大人でもこうなのですから、子供に一度や二度教えたくらいで、しつけの効果が現われるはずもありません。何度も何度も繰り返し、その柔らかい真っ白な心に教えを刻みこんでゆかなくてはならないのです。しかも昨日も今日も明日も例外なく、同じことは同じように叱り、(さと)さねばなりません。実に忍耐力のいることです。

 親だって、いつも同じコンディションで子供に対せるわけではありません。調子のいい時もあれば、もう何をするのもいやになってしまう時もあります。それでも、
「今日はすっかり疲れて、叱る元気もないわ。まあいいか、一日ぐらい」

 では、済まないのです。

 いけないことには「イケマセン」と、なすべきことには「こうしなさい」と、根気よく言い続けるだけの忍耐力がなければ、しつけはうまくいきません。

 と同時に、厳しさも必要です。今日は子供の機嫌が悪いから、あんまり泣いて可哀相だから、という理由でしつけのタガ(ヽヽ)を緩めると、せっかく一滴一滴汲み溜めたものも、その隙間からこぼれていってしまいます。
「でも、幼い子供にそこまでやるのは可哀相……」

 とおっしゃるかも知れません。しかし、そんなことはありません。

 確かに他にラクなことも楽しいことも知ってしまっている大人に「こうしなければいけません」と厳しく臨めば、苦痛を与えることになるでしょう。けれど、はじめからきちんとしつけられている子供なら、「こういうものだ」としか知らないのですから、本人は自分を可哀相などと感じていません。むしろ、ある時は甘やかし、ある時は厳しくすることのほうが、よほど可哀相です。

 その意味で、幼児期にさんざん甘やかされたあげく、小学校、中学校と進むほどに「勉強、勉強」と厳しく締めつけられる今の多くの子供たちが、様々な手段で反抗を試みるのも当たり前ではないかと思います。

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