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伝説のトップCAが教える ファーストクラスのすごい成功習慣
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できる人は「当たり前の準備」を人一倍大事にする

『伝説のトップCAが教える ファーストクラスのすごい成功習慣』
[著]里岡美津奈 [発行]PHP研究所


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 今さらですが、仕事が「できる人」って、何が、どのようにできるのでしょう?

 私なら、誰かを「できる」と評価する理由の一つに、「余裕が感じられる」という点を挙げたいと思います。同じ仕事をしていても、ほかの人よりも楽々とこなしている。いっぱいいっぱいじゃないから、進めかたに迷いがない上に、ミスも少ない。

 一体、どうしてこのような違いが生まれるのでしょうか?

 仕事に対する、基本的な能力の差もある程度は関係しているでしょうが、それよりも決定的なのは、仕事に向かう姿勢、よりポイントを絞って言えば、仕事をする際の「習慣」の違いです。

 つまり、こういうこと。「当たり前の準備」を誰よりもていねいに、継続して行う「習慣」のある人は、仕事が「できる」のです。

 キャリアの長短の差はしかたがありません。長くやっている人ほど職場環境や人間関係にも慣れているし、何か不測の事態があっても動揺せずに対処できて当然ですから。

 そういったことではなく、毎日の仕事のスタート時点で、しっかりと準備ができている人と、準備をおろそかにしている人とでは大きな差がついている、ということに着目しましょう。

 まず前提として、キャリアを積めば積むほど、引き受ける責任が大きければ大きいほど、たっぷりと余裕を持っていないと務まりません。自分のことだけに100%の力を注いでいるうちは、自分以外の面倒を見ることなど不可能。人の上に立つには、それではダメです。

 そして、余裕を持つために不可欠なのが、仕事前の周到な準備。それはキャビン・アテンダント(CA)の世界も例外ではありません。

 すべてのCAがフライト前に済ませておく準備をひと言でまとめると、その日のサービス内容とそれに関係する諸事情をきちんと頭に入れておく、ということです。

 わかりやすいのは、国際線のミール(機内食)の内容。献立は季節を意識して月ごとに更新され、あわせてドリンクも変わりますから、これを忘れずにチェックします。

 お客様の中には、宗教上の約束事や健康への配慮から、一般用のミールとは異なるスペシャルミール(特別機内食)をオーダーされる方もいます。主なものだけでも、ムスリム(イスラム教徒)用、ヒンズー教徒用、さらには乳幼児向け、ベジタリアン用、糖尿病対応、アレルギー対応などがあり、使う材料や調理法も様々です。

 オーダーの締め切り(期限はミールの種類によって違います)が過ぎて、あと数時間で出発というところで、スペシャルミールをお出しする方の座席番号とお名前を確認し、これも間違いのないように記憶します。

 これだけではありません。通常は日本から向かった目的地で帰りの分のミールその他を積み込みますが、現地周辺で感染症が流行したりすると、日本で往復分を用意しなければいけません。そうなると、機内の搭載位置がいつもとは違ってくるので、事前にローディングチャート(荷物の位置を示した図)を見ておく必要があります。

 ミール関連を大まかに並べただけでも、これだけの準備を毎回するわけです。あと大事なのは、イメージトレーニング。機内のどの場所に何がしまってあるのかとか、自分の持ち場に着いたら最初に何をするのか、その次は……といった風に、本番になって(あわ)てないように頭を整理しておきます。

 自慢ではありませんが、私はCAになってから辞めるまでの25年間、新人が不安をカバーするためにするような初歩的な準備も含め、毎回フライトの前日に済ませることを欠かしませんでした。

 また、全体の規律に影響しない範囲で、自分なりに準備を工夫した部分もありましたね。すごく単純なことなのですが、大抵のCAは機内に入った際、まず最初に、先ほどお話ししたミールなどが所定の場所にあるかどうかの確認作業を始めます。しかし、私はそれよりも先に、自分の「環境づくり」をするようにしていたのです。
「環境づくり」とは、具体的には自分の荷物──エプロンや書類など──を、決められた収納スペースにきちんとしまうことを指します。機内の気がかりなあれこれの仕事に手をつける前に、自分まわりの態勢を整えたわけですね。

 ほかの大半の人はというと、ひと通りの機内チェックに動いてから、離陸寸前になって自分の荷物を片づけていました。順序が逆なんです。

 ひょっとすると、この私のやりかたは自己中心的に見えるかもしれませんが、自分としてはこの順序こそが絶対のセオリーで、すべては自分に余裕を持つためでした。言い換えれば、落ち着いて自由に動き出せる精神状態をつくっていた、ということかもしれません。

 いつも通りの準備をいつも通りに行う、そのような習慣をお守りのように大事にすることで、私は余裕や自信を持って仕事に取り組めたのだと思います。

 初歩的な準備がずっと役に立つのは、仕事のベーシックな部分が、新人もベテランも変わらないから。CAに限った話ではないはずですが、リーダーはベーシックな部分の上に別の仕事が増えるだけ。新人のすることなどもう身についたと思うのは大間違いです。

 基礎の反復といえば、芸術やスポーツの世界が思い浮かびますね。先日あるテレビ番組で、バレエの芸術監督が「毎日の基礎練習は、海外公演の大舞台と同じくらい大事だ」と、ダンサーたちを鼓舞(こぶ)していました。

 実際、バレエダンサーにしても競技スポーツのトップアスリートにしても、少し練習を休んだだけで体が(なま)り、勘も衰え、簡単には戻らないといいます。

 仕事だって同じです。ひとたび怠けたら、以前と同じ量の自信を取り戻すには倍の時間がかかる。

 だから、どんなに地味で初歩的に思える準備も、サボらず淡々と続けるのが真のプロというものです。
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