最初にお伝えしておきます。
行政書士は稼げません。
「え!? 『稼げる行政書士になる方法』というタイトルなのに、それはないよ!」
あなたは、そのように思ったかもしれません。
いい直します。
行政書士は、これまでのやり方をしていたのでは、稼ぐことは難しいでしょう。
いままでの行政書士の成功本の多くが、マーケティング中心のものでした。
「1件あたりの値段を下げて、とにかくお客さんをかき集めろ!」
と、なかには安売りをして集客することを推奨する本もあります。
しかし、残念ながら、これまで成功本を書かれた先生方が必ずしも行政書士として成功しているわけではありません。
また、薄利多売のやり方は資金力や組織力のある事務所ならいざしらず、1人でやっている個人事務所の場合、大変危険です。
現に、とにかく仕事がほしい、お客さんを増やしたいからといって、仕事1件あたりの値段を極限まで下げて、必死でお客さんは集めたものの、仕事が回らない、寝る時間もない、そのわりには稼げていない……、そんな悪循環に陥っている行政書士がたくさんいるのです。
「行政書士になって独立開業したら、年収もたくさんあって、好きな時間に出勤して、仕事のやりがいもあって……。そんな楽しい毎日が待っているんだ!」
そのような理想を胸に抱いて行政書士になったのに、実際には厳しい現実とのギャップに悩んでいる。
そんな若手の行政書士の方は多いかもしれません。
実際に、年収300万円以下の行政書士が約6割いるともいわれています。
しかし、ご安心ください。
詳しくは本編でお伝えしますが、これまでのやり方、考え方をちょっと変えるだけで、そのような悪循環から抜け出すことができます。仕事にも時間にも追われているという毎日に、おサラバすることが可能なのです。
自分でやりがいのある仕事を選び、時間をコントロールして、好きな年収を得て、充実した毎日を過ごせる。
そんな、独立した人にだけ許された日々を手に入れることも夢ではありません。
私も実際、いまとても楽しいです。
ワクワクする仕事がいっぱいありますし、ご支持いただいているお客さまやご指導いただいてきた先輩方、一緒に働いている仲間たちにも、大変恵まれていると感じています。
行政書士という仕事に誇りを持っていますし、朝起きるのが、毎日とても楽しみです。
もちろん、私も最初からそうであったわけではありません。
そもそも、行政書士になりたいという強い気持ちがあったわけではありませんし、独立当初は何度、行政書士の仕事を辞めようと思ったことでしょう。失敗も1つではありませんでした。仕事が全然なく、毎日やることがない時期もありました。
しかし、そんな毎日を過ごしてきた私も、10年以上行政書士だけで稼ぎ生計を立ててきて、こうして本を書くことができています。
あなたにも、同じように「稼げる」行政書士になってほしい。プロとして、行政書士という職業に誇りを持って、仕事に取り組んでほしい。
そんな想いがあって、この本を書きました。
行政書士として独立開業してから14年目ですが、その間の実体験のエッセンスが凝縮された1冊になったと思います。
本書が、あなたが行政書士として成功し、充実した人生を送るきっかけになってくれたら、これ以上の喜びはありません。
櫻井泰紀