さていよいよ「ソ連の基本戦略をどうみるか」へと話を進めよう。A、B両氏とのやりとりをまず紹介する。
――ソ連はいったいどんな対外戦略を持っているのでしょうか。他国に対しどんな意図を抱いていると思いますか。
A氏「超大国が他の諸国に影響力を及ぼそうとするのは歴史的な傾向であり、一面、自然なことでもあります。ソ連もその例外ではない。自国がまずナンバーワンだと思っている。そこから対外戦略も出発する。とくに周辺国の政治を自国にとって都合よいよう変えたいという意図で影響力を行使する。他国にさまざまな手で影響を与え、自国にとって友好的な国にすることが最初の狙いでしょう」