ヨーロッパの主要都市には、どこでも中心部に旧市街がある。英語でならオールド・タウンと呼ばれる、街のはじまりとなった地区である。永い歴史を感じさせる、しっとりした家並みがそこだけ古い城壁に囲まれているというような風景が多い。
スウェーデンの首都ストックホルムの旧市街も、由緒ありげな建物と石だたみとが美しい、そんな一画だった。「スウェーデン国際問題研究所」は、その旧市街にあった。石づくりの古めかしい建物がオフィスに使われていた。この研究所はスウェーデン政府のいわば外郭団体、半官半民の組織である。ここで二人の主任研究員にソ連の軍事力とか戦略をどうみるかを尋ねた。