この座礁が“ウィスキー・オン・ザ・ロック”である。ソ連バルト艦隊所属のウィスキー級潜水艦U137が、スウェーデン領海内の浅瀬の岩礁に乗りあげたのだ。
スウェーデン政府はU137には核魚雷が装備されていると断定した。岩礁に乗りあげて水面上にとび出した魚雷発射管から十キロ相当とみられるウラン238が測定されたからである。スウェーデン側のそうした公式発表に対し、ソ連政府はおもしろいことにまったく否定をしなかった。
「ソ連潜水艦U137は他のすべての艦艇と同様に、必要な兵器と弾薬とを搭載している」
ソ連の声明はこう述べて、核兵器の積載を事実上、認めるような対応を示した。