さてオランダのミサイル配備反対運動に話をもどし、運動の外側にいる人たちがそれにどんな評価を与えているかをも紹介しておこう。反対運動に同調しないオランダ国民も多数いるのだから、それが公平というものである。
ハーグの大手紙「NRCハンデルスブラッド」の政治評論員J・M・ビック氏に尋ねてみた。ビック氏はハーグのテレビなど同新聞以外のメディアにも頻繁に登場する政治評論家である。核問題を永年、専門的にカバーしてきたという。
――オランダではなぜ教会が反核運動の最大勢力となって、これほどの影響力を行使できるのですか。
「オランダ社会内部ではキリスト教会は伝統的に、きわめて大きな力を持ってきました。