NATOの集団防衛態勢の効用を認めるのが九〇パーセント近くというのは、注目すべき数字だろう。政府が実施した世論調査とはいえ、オランダ国民の圧倒的多数はNATOに留まることによって国の安全保障を保つという、いまの防衛政策を支持しているのである。一時はあれだけの高まりをみせた反核運動も、オランダの防衛の基本骨組みは決してゆさぶっていないのだといえる。
さてC氏にもソ連について尋ねてみた。
――ソ連が対外的にめざす目標はなんだと思いますか。
「アメリカを西ヨーロッパから切り離すという目標に非常に大きな重要性をおいていると思います。ヨーロッパに対してはこれがつねにソ連の基本的な目標です。