まず有力新聞「ル・モンド」紙の論説委員ミッシェル・タテュ氏を訪れた。タテュ氏はル・モンド紙の外信部長、ワシントン特派員などを歴任しているが、安全保障とか核の問題については単にジャーナリズムの域に留まらない第一線級の権威とされている。実際にフランスの国防問題についてあらたな政策を提言し、反響を呼んだりもしている。私はワシントン特派員だった時代にタテュ氏とは面識があった。
ル・モンド紙の本社はパリ市内のオペラ座からそう遠くない第九区にある。細い道路に面した古ぼけたビルである。タテュ氏にはその四階の彼のオフィスでインタビューした。