国際戦略研究所では副所長のジョナサン・アルフォード氏にも話を聞いた。アルフォード氏はイギリス陸軍の大佐である。参謀本部とか陸軍大学に勤務してきた戦略問題の専門家で、七七年に国際戦略研究所に加わった。翌七八年からすでに副所長をつとめているベテランである。
アルフォード氏のソ連観は同じ研究所でもオニール所長のそれとはかなり色あいを異にする点もあった。アルフォード氏は軍人というよりは学者ふうの、終始おだやかな口調で語る人物だった。
――ソ連の軍事ドクトリンは本来、防衛的なのか攻撃的なのか、まずその点についての見解から話してください。