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ほんとうは共産党が嫌いな中国人 「日本羨望」「反体制」の本音を語った
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政治・社会
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1 料理と言語でわかる、中国文化の多様性

『ほんとうは共産党が嫌いな中国人 「日本羨望」「反体制」の本音を語った』
[著]宇田川敬介 [発行]PHP研究所


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 中国人の外見は、日本人と似ている。しかし、その内面的な部分は日本人と全く違う。それでは「中国人の国民性をひと言で言うと?」と聞かれたときに、中国という国家をひとくくりにすることが非常に難しいということがわかる。


 実際に、「中国」の文化は、俗に「南北は二つの川と一つの山脈によって分断され、また、東西は沿岸部・平野部・山間部の三つに分けられる」といわれている。二つの川とは黄河と長江であり、山脈とは中国大陸の中央を横断している(しん)(れい)山脈のことをいう。この文化の差を、わかりやすく食べ物を例にとって説明してみよう。


 黄河の北側では、寒冷地で水が少ないために、コメがとれない。そのために、基本的には小麦などを粉にして他の雑穀を組み合わせて「皮」にして食べる。皮だけでは美味しくないので、肉や魚や野菜を一緒に包んで食べる。そう、餃子(ギヨーザ)が北方の料理である。大連の餃子などは特に有名だ。餃子は、中に包む「あんこ」が各家庭で異なり、各家庭オリジナルの料理、いわゆる「おふくろの味」として親しまれている。


 黄河の南岸から南になると、そこは「〓」の文化になる。より多く麦が取れるだけでなく、〓を食べるということは、基本的には「水」が豊富にあるということを意味している。日本のラーメンのようなものはないが、(とう)(しよう)〓(めん)(タン)〓(メン)、あるいは(ワン)(タン)などは、水が豊富なところでなければ成立しない料理方法であるといえる。かつて山西省では、〓を北方騎馬民族の襲撃に備え、いつでも持ち出せるよう(かたまり)のまま保存し、必要なときに削って食べた。それが、刀削〓の発祥といわれる。黄河流域なので、当然水も豊富である。


 秦嶺山脈を越えて南に行くと、〓ではなく「パン」に似た食品になる。いや、日本語で「パン」というと、西洋風のものを想像してしまうが、「(パオ)」というとすぐイメージが浮かぶのではないか。白い包に、さまざまな具材を挟んで食べるスタイルになる。日本では「中華まん」という方がなじみやすいかもしれない。南にはさまざまな具材の種類があるので、刀削〓のように〓つゆでふくらませる必要がないということになる。


 ただし、地域によって〓と包の区別が判然とついているわけではない。北方でも北京ダックのようにパンで挟むという形もあるし、また、長江周辺にも〓の文化はたくさんある。いずれにせよ「麦が収穫できる」ということと、「水があるかないか」という条件が揃えば小麦文化となり、その地区の特色によってどちらかあるいは両方が選択されるということになる。


 そして、長江の南になると、コメの文化になる。中国も南の方は水が豊富でなおかつ暖かい気候であるために、当然に米の収穫がある。米飯や(チヤー)(ハン)などが中心になる。中国ではないがベトナムやカンボジアなどにおいても、同様にコメの文化があり、国の違いではなく、気候などの違いによって、稲作の文化と麦の文化に分かれていることがわかる。


 一方、東西の違いはどうであろうか。中国の東西の料理でいえば「広東料理」「四川料理」が有名である。「四川料理」といえば「麻婆豆腐」「担担〓」など辛いメニューが多い。例えば(チン)(ジヤオ)(ロー)()も、もともとは「青椒」という緑色の唐辛子などの「辛くて青い果実」を使うことが元祖の料理である。北京で私も食したことがあるが、やはり使われていたのは唐辛子であり、一口食べただけで舌が麻痺するほどの辛さであった。


 四川料理はなぜ辛いのか。これは二つの理由がある。一つ目は山がちの地形で冬は寒いので、辛味で身体を温めるという意味がある。もう一つは、新鮮な食べ物やきれいな水が少ないために、辛子などの刺激物で「消毒しながら」食べるのだ。昔は良い保存方法もないので、辛くして食中毒を防いでいたのである。


 また、麻婆豆腐も担担〓もいずれも肉の料理である。当然に四川省で海の魚は取れないので、魚の料理は川魚しか使われない。これに対して、広東料理は、魚介類が豊富で、そして辛くなく、(あん)かけなどが多いイメージがある。食材も新鮮で、「消毒しながら」食べる必要もない。中国では、地域と文化によってこれだけ「食事」が異なる。


 また、言語も異なる。中国の紙幣を見ればこのことがよくわかる。例えば百元の紙幣を見れば、「百元」ということを八の言語で書いてある。「漢字」「数字」「10000YEN」と三種類でしか書いていない日本と比べるとはるかに多い。要するに、その紙幣が「百元」であり、またその紙が百元の価値の物と交換できるということを、それだけの言語で書かないとわからない人がいるということになる。


 中国に旅行してホテルでドラマなどを見てみると、テレビの下の部分にすべて字幕が付いていることに気づく。一応義務教育において、中国は「北京語」を標準語として教育しており、方言などの発音は別にして、文字は読めるようになっている。逆に、文字で説明しないと、何を話しているか全くわからないほど、言語や発音が違うということなのである。

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