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終 章 日本は「ジャパン・モデル」をつくれる ─そのとき、米国の「独り勝ち」は終焉を迎える─

『ジャパン・モデル』
[著]田原総一朗 [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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なぜ日本は世界最強のモノづくり国たりえたか



 いま、日本の経営者たちのあいだでは「スピード経営」という言葉が氾濫している。どの経営者に会っても、判で押したように、「スピード経営」を口にする。

 では、そのスピード経営とはいったい何なのか。もともと経営にはスピードが必要である。モノを開発、生産、販売するにはスピードが不可欠で、日本企業がこれまでに行ってきた合理化、効率化も、スピード経営の流れから派生したもののはずだ。にもかかわらず、なぜいまさら「スピード経営」なのか。

 かつて、日本はモノづくりの点では世界最強の国だった。八〇年代の前半には、すでに日米逆転が起こっている。ソ連対策のためにドル高政策をとってきたアメリカは貿易赤字が巨額になり、企業が海外に出て行って産業の空洞化が進むのに音を上げ、日本などに「ドル安政策に協力してほしい」と頼んだ。つまり、円高政策をとってほしいと言ってきた。果して、八五年九月、ニューヨークのプラザホテルで、日、米、独、伊、仏の五カ国蔵相会議(G5)が行われた。日本の蔵相として会議に参加した故・竹下登氏が「田原君な、G5というのはG5じゃないよ、G2だよ。アメリカが本当に期待しちょるのは日本なんだ。戦後、ずっと雲の上の存在だったアメリカが、初めて日本に頭を下げた。これで日本は一丁前にならんわけにいかん」と、興奮して話していたのを思い出す。円高政策については、後にいろいろな論議があったが、当時のアメリカが日本に頭を下げたことはたしかである。では、なぜ日本は世界最強のモノづくり国家になったのか。その理由は二つあって、一つは徹底的な合理化、効率化によるコストダウン、もう一つは徹底的な品質管理(QC)である。この二つに成功した国は世界で日本しかなかった。

 合理化、効率化は、「逆転の発想」から生み出された。日本が非常に恵まれない国であることが、逆に幸いしたのである。恵まれない国とは何かというと、まず日本には資源がない。鉄であれば、オーストラリア、南米といった遠いところから原料の鉄鉱を買ってくる。エネルギーも、かつては石炭を国内で生産していたが、コストが高くて勝負にならない。結局、石油になるわけだが、これにしても中東から買ってくるしかない。運んでこようとすれば、非常に距離がある。しかも、日本でモノをつくって海外へ売るとなると、これまた非常に距離がある。世界の先進国のなかで、日本は非常に不利な状況に置かれていた。
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