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(2021/11/26 追記)

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顧客を説得する7つの秘密
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ビジネス
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序文

『顧客を説得する7つの秘密』
[著]ジェームズ・C・クリミンス [翻訳]柿沼優花 [発行]すばる舎


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 自分の思う通りのことをして欲しい相手はいるだろうか。


 子供であろうと上司であろうと恋人であろうと配偶者であろうと店を訪れた顧客であろうと構わない。だがもしそんな誰かがいるのであれば、あなたには是非この本を読んで欲しい。


 ジム・クリミンスがこの本で述べる広告宣伝の技術は、人に何かしらの行動を取らせたり、あるいはやめさせたり説得する、あらゆる場面に応用できるものである。



 私は広告業界で長く働いてきたが、もしジムがこの本をもう何年か早く著してくれていたらと思わずにはいられない。


 私がまだキャンペーン作りの現場で、クライアントに対し自分達が本能的に知っていた事柄――つまり、消費者は自分が特定のブランドを選んだ理由を合理化しようとするが、実際には彼らの選択は非常に感覚的なものだということを必死に説明しようとしていた頃に。


 人は事実や合理的な主張に基づいてブランドを選ぶのではない。人生の伴侶や選挙戦の支持候補を決める時と同じだ。人はイメージによってブランドを選択する。



 そしてそのイメージは、大半が広告によって作り出される。



 そのため、この本でジムが述べているように、相手に「なぜそんなことをするのか」と問うことは間違いどころか大きな害悪となりうる。


 実は人は自分の行動の動機をよく分かっていない。分からないながらに、尋ねられれば何かしらの説明を試みようとして答えをでっち上げる。


 ジムはそのように尋ねる代わりに相手の真の動機を「掘り起こす」ことを提案し、その方法をこの本の中で示している。


 残念ながら、広告が現実に価値を生み出し、消費者のブランドに対する受け止め方をいかに劇的に変えるかということを、広告業界はこれまでのところ十分に説明しきれてこなかった。効果的な広告には合理的な主張など必要ないのだということも、きちんと証明されてこなかった。


 この本に書かれているような科学的な根拠を知らなかったために、悲しいことだが、クライアント達は「広告の成否は受け手がブランドのUSP(Unique Selling Proposition:商品固有の売り)を思い出せるかどうかによって決まる」という業界のインチキな慣習に従って、多くの素晴らしいアイディアを却下してきた。


 私達はかねてより広告の本質というのはむしろ「Unique Selling Personality:商品固有の雰囲気」、つまりブランドがどのように消費者の目に映り、どのように感じられ、そしてどんな存在として振る舞ったかという部分にあると強く感じていた。


 しかし私達はそのような考えをうまくクライアント達に伝えることができず、結果として数々の良案がボツにされてきた。



 それというのも、この本で詳しく述べられているような人間の心にまつわる斬新な科学的知見の後ろ盾が、これまでは得られていなかったからである。


 この本の中でジムは近年の科学的研究を多数紹介し、なぜ合理的な主張を広告に取り入れることが時間の無駄で、どうして効果的な広告を作るには人の内に潜む「トカゲ(これはジムが人の無意識を指して使う言葉である。人の無意識は、トカゲや他の脊椎動物と共通しているらしく、ジムによれば、人が何かを選ぶ時にはこの無意識が大きな役割を担っているのだという)」について知らなければならないのかを説明している。



 ジム・クリミンスはニードハム、ハーパー&スティア、そしてDDBワールドワイドといった広告会社の戦略立案主任としての長年の経験を基にしてこの本を記した。


 彼は人間の行動心理についてのエキスパートであり、彼自身や知人の実務経験から選りすぐった広告の好例や悪例を多数この本に盛り込んでいる。本全体を通して、ジムは様々な新しい知見を提示して読み手を驚かせてくれる。そしてその語り口は、私が彼と共に働いてきた年月の中でいつも学ばされ、頼りにさせてもらっていたそのままのものだ。


 例えば、ある章の中で彼は、「人の行動を変えるためにはまずその人の考えを変えなければならない」という固定観念を覆している。


 実際のケースを見るうちに、読者はなぜ相手の考えでなく行動自体に着目しなければならないかを自然に理解できるようになるだろう。ジムによると、人の考えというのは、その人の行動によって作り出されるものなのだ。


 広告業界がターゲットとの本質的な繋がりよりもクリック数にこだわっている近年だからこそ、この本で書かれている発見は意味深いと言える。


 実際、ジム・クリミンスが広告とは事実より感覚だという科学的な証拠を示してくれた今、私は受け手の合理性よりも感覚に訴えかけるキャンペーン案のいくつかを、再びクライアントに売り込んでみようかと思う。それらは未だボツになったまま放置されているのだ。しかしジム・クリミンスの本を読んで思う。



 トカゲ達はきっとそれを好きになってくれるだろうと。


DDBチェアマン キース・ラインハルト 


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