北朝鮮が、自国をことさらに偉大な国であると、また強固な主体性、自主性をもった国であると強調するのは、かつての事大主義の裏返しだといってよい。また何かにつけて多国間交渉を斥けてアメリカとの直接外交を主張しているのも同様である。北朝鮮は中ソ対立を契機にして、現在に至るチュチェ思想を国内に唱導するようになり、それによって歴史的な事大主義をそっくり裏返した主体主義の立場をとっていくようになる。それは北朝鮮の主体主義が、「反事大主義」の性格を色濃く現していることからも明らかだろう。
「思想における主体性の確立は、それ自体が人間を古い思想の束縛から脱却させる思想解放であり、新しいチュチェ思想の世界観を確立するための思想革命であります。