中華帝国への事大は、李朝にとっては誇りであったが、そのためには中国皇帝への忠誠を常に示し続けていなくてはならなかった。その第一の要件が、毎年冬至の際に行なわれる朝貢の儀礼であった。
十七世紀半ば頃の記録によれば、李朝は毎年、中華帝国に朝貢する際に、中国皇帝へ次の物を献納することを義務づけられていた。
「(清国と朝鮮国間で丁丑年〈一六三七〜三八〉三月三十日調印の献納物の規定)
毎年、次の如く貢納するものとする。金百両、銀千両、白米一万包、絹布二千匹、苧布(亜麻の類)三百匹、普通の亜麻布一万匹、大麻布四百匹、精大麻布百匹、大紙二千張入一千巻、小紙一千巻、鋭刀二千振、水牛角一千本、模様花莚五十張、染料二百斤、胡椒十桝、虎皮百張、海狸皮四百張、青鼠皮二百張等。