「日帝植民地支配」についての「過去清算」が推進されていったのは盧武鉉政権になってからである。
盧武鉉が最大の政治テーマとしたのは、金大中の太陽政策を引き継いでいっそう推し進め、南北統一へ向けた南北連合国家を形成していくことにあった。この政治テーマを軸に、盧武鉉は国内改革の中心を、経済面では「企業よりも労働重視、成長よりも分配重視」という社会民主主義政策に置き、政治面では「国家保安法廃止などを通しての民主国家の実現」に置いた。国家保安法の主な対象が、北朝鮮の諜報活動や反政府活動にあるのはいうまでもない。
こうした政治方針から盧武鉉は「過去清算」の狙いを、一つは「かつての左翼民主主義闘士を愛国者とすること」に置き、同時に「日本統治時代に親日行為をした者を徹底して批判し社会的に排除すること」に定めていったのである。