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目からウロコの民族・宗教紛争
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歴史
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まえがき

『目からウロコの民族・宗教紛争』
[著]島崎晋 [発行]PHP研究所


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 2002年1月24日、イタリア中部の町アッシジで、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世主催による「平和の祈り」の式典が()りおこなわれた。そこに集ったのはキリスト教、イスラーム、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教など12の宗教の代表、総勢約150人。日本からも天理教、立正佼成会、神道の代表ら30名の参加があったという。教皇はアメリカで同時多発テロ事件が起きてからというもの国際情勢の緊張が高まるばかりなのを憂慮して、それでかような式典を思いついたということだが、果たして参会者たちの祈りは天に通じたのだろうか。

 それにしても、このさき世界はどういう方向に進んでいくのだろうか。科学の進歩により世界は小さくなったと言われるようになってから久しいが、それに反比例して紛争の発生件数は増加、規模のほうも拡大の一途をたどっているように見受けられる。国家間、異なるイデオロギー・体制間、派閥間の紛争もあるが、20世紀末以降、主流を担うようになったのは宗教間、宗派間、人種間、民族間、部族間の紛争である。

 多数派と少数派、力優る者と力劣る者、裕福な者と貧しき者、先住者と新来者、先に来た移民と後から来た移民。民族紛争にしろ宗教紛争にしろ、その対立の構図は以上のいずれかに該当する場合がほとんどといってよい。中国古代の思想書『墨子』に、
「天下の害のなかでもっとも目にあまるものは何か。それは大国が小国を攻める、大族が小族を痛めつける、強い者が弱い者を(さいな)む、多数派が少数派をないがしろにする、狡猾(こうかつ)な者が正直者を(だま)す、貴族が平民を(あなど)る等々のことである」

 という意味の記述がみられるが、二千数百年の時を過ぎたいまなおこの言葉が有効性をもちうるとは、なんとも嘆かわしいかぎりではないか。

 だが、嘆いているだけでは何の解決にもならない。21世紀は、いつどこで誰が紛争に巻き込まれるか、はたまたその当事者になるかわからない時代になるであろうから、ふだんから各地の紛争に多少なりとも関心の目を向けておく必要があるだろう。一歩踏み込んで、その紛争の背景、歴史的経緯にまで関心がおよぶようになればなおのことよく、本書をきっかけにそのような人びとが増えれば幸いである。

 なお、本書でとりあげた紛争の大半は現在進行中のものであり、その様相は刻一刻と変化している。執筆にあたっては2002年2月20日現在までの情報を参考にした。


 2002年3月
島崎 晋 
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