読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
50
kiji
0
0
1166088
0
ニューヨークで暮らすということ
2
0
0
0
0
0
0
雑学
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
1 哲学講師アルバート君の生活と意見

『ニューヨークで暮らすということ』
[著]堀川哲 [発行]PHP研究所


読了目安時間:19分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ


イタリア系のアメリカ人

 アルバート・ピアセント君はイタリア系のアメリカ人だ。祖父母は、イタリアの南部から移民としてアメリカに渡ってきた。

 アルバート君の生まれは1963年。祖父母の世代は、移民一般の例にもれず、雑貨商(デリ)、食品加工・販売、酒の密売など様々な仕事をしてきたが、アルバート君の父親は一念発起して大学を出て、財産を作り、ブルックリンのイタリア人地区を脱出して、ニューヨークのおとなり、ニュージャージーに家を買い、家族はそこに移住した。アルバート君が生まれたのは、ここ、ニュージャージーである。最初は、生活費が安く(従って、環境水準は良くはない)、同じ人種の人々が暮らす地区に住み、経済的に成功すれば、より環境の良い地区に移り住む。アメリカ移民の生き方の標準的なスタイルである。

 アルバート君は、地元ニュージャージーの州立・ラトガーズ大学(Rutgers University)を卒業して、ミシガン州立大学の大学院に進み、歴史(アメリカ史)と哲学とを勉強した。先生はF・バーグマンという人で、『自由であるとはどういうことか』という少し毛色の変わった(実存主義とプラグマティズムをミックスしたような)本を書いている。

 アルバート君は政治と哲学に関心があった。哲学は好きであったが、アメリカ哲学界を支配している分析哲学には、なんの魅力も感じなかった。彼は、現実の社会の様々な問題(不平等や貧困)に直接ふれあうような哲学を勉強したかった。しかし、アメリカの普通の大学院哲学科にはそういうことをしている人は皆無であった。で、アルバート君、「う〜ん、これからどうするか」と悩んでいるとき、バーグマン先生は「リチャード・ローティという変わった哲学者がヴァージニアにいる。ローティは君にあっているだろう。いってみろ」とアドヴァイス。それで、アルバート君は、マスター・コースを終えると、ヴァージニア大学に進み、ローティのもとで哲学を勉強し、博士号(Ph.D.)を取得した。


 日本も似たようなものであるが、アメリカでも大学院を卒業して、博士号を持っていても、大学に就職口をみつけるのは、なかなか大変である。アメリカでは、特に、たくさんの人々が大学院に進み、博士号をとっているから、職探しは大変である。
この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:8351文字/本文:9298文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次