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私は私。母は母。
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生き方・教養
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CHAPTER 5 娘が母親になったとき知っておきたいこと

『私は私。母は母。』
[著]加藤伊都子 [発行]すばる舎


読了目安時間:20分
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母になった娘が抱く子育てへの不安


 母娘関係の講座をすると、母の立場で母娘関係を考えたいという参加者がいつも一割程度いる。この一割の母は、思春期あるいは大人になった娘との関係で悩みを抱えている母である。娘が引きこもりなどの問題を持っているか、何らかの理由で娘に攻撃されている母である。


 この割合は長い間変わらなかったのだが、この二、三年、母の立場での参加者が二、三割程度に増えている。増えた一、二割の母親の子どもたちは、乳児から小学生まで。親への反抗も始まっていないような年齢である。


 問題も葛藤も生じていないのに、なぜ母娘関係の講座に参加したのかを聞くと、「自分は母親から厳しくしつけられて辛かった。それなのに、子どもについ厳しくしてしまう、あるいは厳しくしてしまいそうになる。それを何とかしたい」というものから、「今は何の問題もないが、もう少し大きくなったら問題が起こると思う。そのときに子どもとの関係が悪くならないように勉強しておきたい」という予期不安のようなものまである。よりよい子育てをしたいという願いと同時に、子育てに不安を感じていることがうかがわれる。


 この人たちを「母になった娘」と呼ぶことにするが、彼女たちは、自分は子育てで何か間違いをしてしまうのではないか、子どもにとってよくないことをしてしまうのではないか、その結果子どもに嫌われるのではないか等々の不安を抱いている。そのほかにも、自分はいい親にはなれないのではないかと考えて、子どもを持つことをためらっている女性もいる。


 もともとあった一割の母たちは、子どもが問題を抱えたり、子どもから攻撃されるようになって、初めて講座に参加した人たちである。一時期反抗的だったり、親の思いどおりにならないことがあっても、大人になれば、娘にも世の理がそれなりにわかるだろうと考えていて、大人になった娘に攻撃されることなど想像もしていなかった母たちである。

「母になった娘」は、そういう子どもからの攻撃はあり得ることで、自分も例外ではないと考えている。彼女たちは子どもを社会に通用する大人に育てるのと同じくらい、子どもとの関係を大切にしたいと思っている。


 子どもを一人前の大人に育てることは、昔の大人も重要と考えていたと思うが、「子どもとの関係」など考えただろうかと思う。子どもが親を大切にするのは自明のことであり、子どもが親に背く、あるいは親を嫌うことなど想像もしなかったのではないだろうか。そういう親たちは、嫌われようが、憎まれようが、親は親、子どものことは一番わかっている、仮に嫌われたとしても、子どもが親を捨てることなどありえないという自信を持っていた。

「母になった娘」は、この母の自信が子どもにとって迷惑なものとなるときがあることを知っている。また、自分と母親との関係を考えたときに、母が思っているほどには、いい関係だと思っていない自分自身に気づいている。自分はそういう親にはなりたくない、子どもに嫌われたくない。そう考える「母になった娘」は、関係の維持には努力が必要だということを知っている。しかし、子どものいやがることもしなければいけないのが親である。


 親としての機能を果たしながら子どもといい関係を保つには、どうしたらよいのか。ここからは、「母になった娘」が経験してきた母への葛藤を繰り返さないためのヒントをお伝えする。

母娘葛藤の連鎖を断ち切る10のヒント

①子どもは母が大好き


 自分はうまく子どもを育てられないのではないか、子育てで何か間違いをしてしまうのではないか、子どもにとってよくないことをしてしまうのではないかということを恐れていると、子どもの泣き声が自分を責めているように聞こえてくる。
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