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人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント
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Chapter3 インサイト探索から「あるべき状態」を見つける

『人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント』
[著]楠本和矢 [発行]すばる舎


読了目安時間:22分
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●Introduction



 前章までで、KPIマネジメントの概論とそのポイント、よくある失敗パターンについて解説した。


 本章では、実効性の高いKPIマネジメントを行う上での要諦となる、対象者の心理「インサイト(insight)探索」についての概要と、それを通じた「あるべき状態(KR:Key Result)」を導き出す流れについて説明する。


 非常に重要な部分であり、まずはその概要についてしっかりと理解いただき、次章の事例紹介を挟んだ後、詳細の分析手順について解説を行う流れとする。


1 インサイトとは何か

 KPIマネジメントを語る上で欠かせない「インサイト(insight)」の探索。これを正しく理解し、検討の中で使いこなせるか否かが成否を分けると言っても過言ではない。

「インサイト」という言葉の辞書的な意味は、「洞察」「物事の本質を直観的につかむこと」などであるが、「消費者インサイト」「ターゲットインサイト」「カスタマーインサイト」という用語は、マーケティングの現場では一般に、「消費者自身も気づいていない隠れた動機や本音」というような使われ方をすることが多く、さまざまな書籍や記事を見ていると、たまに「インサイトの洞察」という気持ちの悪い表現が出てくる時もある。


 本書においては、通念として使われている「インサイト」の定義を使うこととする。


インサイトとパーセプション

「インサイト」と「パーセプション(perception)」。これはインサイトの説明をする際によく対比で使われる。


 まず「パーセプション」。直接的な意味は、認識、理解、知覚など。マーケティングの現場では、表層的に見えている意識や行動、顕在化しているニーズなどを意図して使われることが多い。


 一方で「インサイト」とは、パーセプションのように、すでに表面に現れているものではなく、本人自体が未だ気づいていない隠れたニーズ、建前でなく本音の部分、刺激によって出てくる感情などを意図して使われる。




 人を動かすためには、深層を感じること。『学習する組織』の著者であるピーター・センゲの名言である。

――「人を動かすには、表層的な気づきを超え、もっと深い場所で何が起こっているのかを感じ取ることこそが重要である」――


 さもありなん。この言葉のとおり、KPIの位置づけを「戦略に基づき、相手を企図どおりに動かしていくためのツール」とするなら、まずは相手の本音、隠れている感情、即ち「インサイト」を見極めようとする行動こそが重要である。


 教科書的に一見「正しいコトを、正しい手順で」実施すれば、相手が必ず然るべき反応をするかというと、そんなことはほとんどない。人間的な視点に基づいた「インサイトの探索」が、実効性のあるKPIマネジメント、マーケティング戦略を進める上で欠かせない。



 教科書的な考え方が行き渡った現在だが、成熟市場においては教科書的な手続きを踏むだけでは、本当に実効性のある施策を打つことはできない。したがって、本書で解説するKPIマネジメントについては、より実践的な戦略策定の切り口になり得る、人間的な視点に基づいた「インサイトの探索」を大前提として捉えることにしている。



 ここで合理的な判断と、非合理的な判断についての補足をしたい。


 人間は、本当にいつも合理的な考え方をする生き物なのか?


 ものすごく単純な二元論で整理すると、次のように立ち位置を分類できる。


 1つ目は「生活者はいつも合理的な判断をする」という前提。つまり「ニーズを探れば、必ず彼らが求めるものが見つかる。それを見つけ、合理的な判断のもと買ってくれる」という捉え方。


 2つ目に、その対となる考え方として「生活者は、いつも合理的な判断をするわけではない」という前提。


 言い方を変えると、合理的な理由以外、即ちその状況における何らかの「非合理的な理由」が、商品・サービスを購買する際や利用する際に介在するのを認めるということである。


 基本的に、汎用化を前提とした多くの人がよく知るマーケティング戦略においては、必然的にあまり着目されてこなかった部分でもある。

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