『なんだかよくわからない「お腹の不調」はこの食事で治せる! 世界が認めた低FODMAP食事法』
[著]江田証
[発行]PHP研究所
これまでの「腸の常識」は間違っていた!
日本人はお腹が弱い民族
医者に行っても、「異常ありません」と言われるのに、お腹の調子がなんだか良くない。
実は、日本人の多くが、こうしたお腹の不調に悩んでいます。
昨日はお腹がゆるいと思ったら、今日は便秘。なんだかガスもたくさん出てしまう……。大きな病気というわけではないけれど、いつもお腹に不安があって不快だ、という人が本当に多いのです。
あまり知られていませんが、実は日本人はもともとお腹の弱い民族です。何らかのお腹の不調で悩んでいる人は、ほかのアジア民族とくらべても非常に多く、約10人に1人以上だと言われています。
そこで重要になってくるのが、腸の健康法──つまり食事法です。
しかし実際のところ、日本の多くの医者が、腸にかんする正しい健康法を知りません。診断はできても、具体的にどうしたら治るのかを知らずにいるのです。
そのため、「なるべく食物繊維をとり、脂っこいものをさけてください」というような、あいまいな指導を長年続けてきました。けれども、こうしたアドバイスに科学的根拠があるわけでもなく、効果もほとんどありませんでした。
しかも医師の大半が、お腹の不調は心理的なものが原因であるといまだに信じていて、食事法を軽視しがちです。また、しっかりとした臨床研究を経て、効果がきちんと証明された食事法も、これまで日本にはなかったのです。
多くの健康法は、間違っている!?
たくさんの「腸の健康法」にかんする本が出ているのにもかかわらず、いまだにお腹の調子がすぐれず、食事法について疑問や不信感をいだいている人が多いのはなぜでしょうか?
答えはシンプルです。腸を整える健康法の多くが、実は「間違っている」からです。
さらに言えば、その間違った健康法を導入したために、あなたの腸の調子はかえって悪化し、腸そのものが傷ついてしまっているかもしれません。
というのも、これまで正しいと信じられてきた腸の健康法は、ときに正しい方法と真逆である場合があるからです。
異常はないのにお腹が不調──急増する過敏性腸症候群
エリートに多い病気「過敏性腸症候群」
世界中で、そして日本でも少なくとも10人に1人が苦しんでいる病気があります。
「過敏性腸症候群」(IBS)という腸の病気で、社会的に地位が高かったり、高収入だったり、高学歴の都会暮らしの人たちに多いと言われている疾患です。