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骨抜きにされた日本人
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政治・社会
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四、東京裁判礼讚の論理

『骨抜きにされた日本人』
[著]岡本幸治 [発行]PHP研究所


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 横田喜三郎と東京裁判

 前章では、その学説からすれば、到底法的正当性を是認できないはずのマッカーサー憲法を受け入れるために変節した憲法学者、宮沢俊義について述べた。本章では、初期占領政策に過剰適応した学者について記すことにしよう。

 その人物は、東大法学部で国際法担当の教授を務め、後には法律職の最高位である最高裁判所の長官――このポストもマッカーサー憲法が導入したアメリカ型司法制度の一つとして占領期に新設されたものだ――にまでなった横田喜三郎である。

 横田は昭和二十二年に『戦争犯罪論』という著書を公にしているが、東京裁判(極東国際軍事裁判)に対する彼の評価は、昭和二十三年九月号の『中央公論』に掲載された「東京裁判による国際的反省」という論文を見るのが手っ取り早い。二十年九月に始まった日本の戦犯容疑者の逮捕は十二月六日までに百人を超えていたが、A級戦犯容疑者と呼ばれた二十八人の確定が公表されたのは二十一年四月二十九日であり、裁判の開始は五月三日。以後二十三年四月二十六日までの二年間にわたり審理が行われ、判決の出るのを待つばかりとなっていた。実際に宣告がいい渡されたのは十一月十二日であるが、この論文は東京裁判が結審となり、ほぼ判決の行方が明らかとなった時点での発表であることに注意する必要がある。

 横田論文の論旨を簡潔に示せば以下のとおりである。彼は東京裁判の歴史的意義を手放しで礼讚し、日本にとっても国際社会にとっても画期的意義をもつものとして高く評価する。

 第一の、日本にとっての意義は二つに分れている。一つは「日本の過去を総決算する」こと、「わけても満州事変からの十五年間にわたる日本の行動の総決算」をするという意義である。それでは過去の日本はどんな国家であったかといえば、「あらためていうまでもなく、軍国主義と極端な国家主義の化身のようであり、帝国主義と侵略戦争の権化のようで」あった。彼の史観によれば「満州事変から中日事変(ヽヽヽヽ)をへて、太平洋戦争に至るまで、それは一つの必然的な継続現象であり、じつに日本の軍事的帝国主義の発展過程にほかならない」(傍点、著者、以下同様)。
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